STEM教育の課題

日本のSTEM教育は、デジタル社会に対応できる人材を育成するために重要視されていますが、いくつかの課題に直面しています。

■教員の負担と専門性不足

日本のSTEM教育における最も大きな課題の一つは、教員の専門性不足と負担の増加です。STEM教育は、理数科目をはじめとする複数の分野を横断的に扱うため、教員には幅広い知識と指導力が求められます。しかし、現在の教員養成課程は特定の教科に特化していることが多く、教科横断的な指導力を養う機会が限られています。また、プログラミング教育の必修化などにより、多忙な教員が新たな専門スキルを習得するための時間確保が困難になっています。このため、教員研修やサポート体制の強化が不可欠です。

■ICT環境の整備の遅れと格差

STEM教育の推進には、タブレット端末や高速なインターネット回線といったICT環境の整備が不可欠です。しかし、地域や学校によってその整備状況に大きな差があることが課題となっています。学校のICT環境が不十分だったり、家庭の学習環境が整っていなかったりすると、質の高いSTEM教育をすべての児童・生徒に提供することが難しくなります。

■評価方法の確立

STEM教育では、従来のテストでは測りにくい創造的な思考力や問題解決能力、チームで協力する力などが重要視されます。そのため、これらの学習成果をどのように評価するかが課題となっています。ポートフォリオやルーブリック(評価基準)といった新しい評価方法の導入が求められていますが、その信頼性の確保や評価の標準化が課題です。

■理数科目への苦手意識

STEM教育は理系科目が苦手な児童・生徒にとって、学習への意欲を失わせる可能性があります。学年が上がるにつれて授業内容が難しくなることで、理数科目への苦手意識が強まる傾向が見られます。授業をより魅力的で楽しいものにし、児童・生徒の探究心を刺激するような工夫が必要です。

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